年金の繰り上げ・繰り下げ受給、どっちが得?損益分岐点をやさしく解説
年金は65歳が基本ですが、60〜75歳の間で早めたり遅らせたりできます。減る・増えるのはどれくらいか、何歳まで受け取れば得になるかを整理します。
最終更新:2026-07-16
受給開始は60〜75歳の間で選べる
公的年金は原則65歳から受け取りますが、希望すれば60歳〜64歳に早める「繰り上げ受給」、66歳〜75歳に遅らせる「繰り下げ受給」を選べます。 早めれば1か月ごとに減額、遅らせれば1か月ごとに増額される仕組みです。
繰り上げ受給——早くもらう代わりに一生涯減額
繰り上げ受給は、1か月早めるごとに0.4%減額されます。 最も早い60歳0か月まで繰り上げると、65歳受給に比べて最大24%の減額です。 この減額率は一生変わりません。
※ 1962年4月2日以降生まれの方の減額率(0.4%/月)。それより前の生まれの方は0.5%/月(最大30%減額)です。
繰り下げ受給——遅らせるともらえる額が一生涯増える
逆に繰り下げ受給は、1か月遅らせるごとに0.7%増額されます。 最も遅い75歳0か月まで繰り下げると、65歳受給に比べて最大84%の増額です。 こちらも増額率は一生変わりません。
※ 75歳までの繰り下げは2022年4月の制度改正で新たに可能になりました(それ以前は70歳が上限)。
損益分岐点は何歳?
「早くもらい始めるが少額」か「遅らせて多くもらう」かは、65歳受給と比べた総受給額が何歳で逆転するか(損益分岐点)で比較できます。 増減率から計算すると、目安はおおよそ次のとおりです。
- 60歳まで繰り上げた場合…81歳前後で、65歳受給の総額に追い抜かれる
- 70歳まで繰り下げた場合…82歳前後で、65歳受給の総額を上回る
- 75歳まで繰り下げた場合…87歳前後で、65歳受給の総額を上回る
損益分岐点だけで決めなくてOK
迷ったら、まず自分の受給額を確認
繰り上げ・繰り下げを考える前に、まずは65歳で受け取る場合の見込み額を把握しておきましょう。 そこから「早める」「遅らせる」を試算すると、判断がしやすくなります。
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Q.繰り上げ・繰り下げ受給は何歳から何歳まで選べますか?▾
A.繰り上げ受給は60歳0か月から64歳11か月の間、繰り下げ受給は66歳0か月から75歳0か月の間で開始時期を選べます。原則の65歳受給を基準に、早めるか遅らせるかを選ぶ制度です。
Q.一度選んだ繰り上げ・繰り下げは後から変更できますか?▾
A.いいえ。繰り上げ・繰り下げの請求をすると、その時点の減額率・増額率が生涯適用され、あとから65歳受給に戻したり率を変更したりすることはできません。
Q.結局、繰り上げと繰り下げどちらがいいですか?▾
A.何歳まで生きるかは誰にも分からないため一概には言えませんが、目安として65歳受給と比べた総受給額が逆転する年齢は、繰り上げ(60歳開始)で81歳前後、繰り下げ(70歳開始)で82歳前後、繰り下げ(75歳開始)で87歳前後です。健康状態や他の収入の有無とあわせて判断するのがおすすめです。
あなたの場合は、いくら?
ここまで読んだら、次は自分の数字を。スライダーを動かすだけ、3分で老後に必要な額がわかります。