年金にかかる税金は?公的年金等控除と天引きされるお金を解説
老後に受け取る公的年金にも、じつは税金や社会保険料がかかります。「公的年金等控除」で一定額までは非課税になる仕組みと、額面と手取りの違いを確認しましょう。
最終更新:2026-07-17
公的年金は「雑所得」として課税される
老齢基礎年金・老齢厚生年金などの公的年金は、税金の世界では雑所得に分類され、所得税と住民税の対象になります。 ただし、年金収入からまるごと税金が引かれるわけではなく、公的年金等控除という大きな控除を差し引いた残りにだけ課税されます。
※ 遺族年金・障害年金は非課税です。課税されるのは老齢年金(老齢基礎年金・老齢厚生年金など)です。
公的年金等控除でいくら引ける?
公的年金等控除は年齢で下限額が変わり、65歳以上のほうが手厚くなっています(公的年金以外の所得が1,000万円以下の場合)。
さらに、誰でも差し引ける基礎控除も使えます。ざっくり言うと、65歳以上の単身者なら 年金収入が年158万円ほどまでは所得税がかからない計算です(公的年金等控除110万円+基礎控除)。
※ 2026年の税制改正で基礎控除が引き上げられ、所得税がかからない年金収入の上限もこれより高くなります。扶養する家族がいる場合などは、各種控除でさらに非課税の範囲が広がります。
年金からは税金と社会保険料が「天引き」される
一定額以上の年金を受け取る人は、年金から次のものが天引き(特別徴収)されます。 額面(もらえるはずの年金額)と手取りが違うのは、このためです。
- 所得税(源泉徴収)・住民税
- 国民健康保険料、または後期高齢者医療保険料(75歳以上)
- 介護保険料(65歳以上)
とくに社会保険料は、税金よりも負担が大きくなることが少なくありません。老後の生活費を見積もるときは、 額面ではなくこれらを引いた手取りで考えることが大切です。
手取りのイメージ(モデルケース)
65歳以上・単身で、公的年金が年240万円(月20万円)のケースをイメージしてみます。
年金(額面)
240万円
月20万円
税金
約9万円
所得税+住民税
社会保険料
約20万円
国保+介護
手取り
約210万円
月17.5万円ほど
このように、額面の1割前後が税金・社会保険料で引かれるのが目安です。 社会保険料は自治体や世帯構成によって差が大きいため、あくまで概算としてご覧ください。
※ 社会保険料(国民健康保険料・介護保険料)は市区町村や年度、世帯構成によって大きく異なります。上記は単身・標準的な条件を想定した概算です。
確定申告が不要になる制度
年金受給者の負担を減らすため、次のどちらも満たす場合は確定申告が不要です(確定申告不要制度)。
- 公的年金等の収入金額の合計が年400万円以下(全額が源泉徴収の対象)
- 公的年金等以外の所得(副業・個人年金など)が年20万円以下
申告不要でも、申告したほうが得なことがある
受け取り方や受給開始年齢でも手取りは変わる
年金は繰り下げ受給で年金額を増やせますが、 額面が増えると税金・社会保険料も増えるため、手取りの伸びは額面ほどではない点に注意しましょう。 退職金を年金形式で受け取る場合も公的年金と合算され、受け取れる年金額とあわせて手取りベースで見通すのがおすすめです。
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Q.年金に税金はかかりますか?▾
A.老齢年金(老齢基礎年金・老齢厚生年金など)は雑所得として所得税・住民税の対象になります。ただし公的年金等控除があるため、65歳以上の単身者ならおおむね年158万円ほどまでは所得税がかかりません(遺族年金・障害年金は非課税です)。
Q.公的年金等控除はいくら引けますか?▾
A.年齢で下限が変わり、65歳未満は最低60万円、65歳以上は最低110万円です(公的年金以外の所得が1,000万円以下の場合)。年金収入が多いほど控除額も大きくなります。
Q.年金受給者は確定申告が必要ですか?▾
A.公的年金等の収入が年400万円以下(全額が源泉徴収の対象)で、かつ年金以外の所得が年20万円以下なら、確定申告は不要です。ただし医療費控除などがある場合は、申告すると税金が還付されることがあります。
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